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アニメーション 鬼束ちひろ辞典

ブライト艦長の息子ハサウェイが

アムロとシャアの最後の戦いから12年。アムロとシャアの最後の戦いから12年。ブライト艦長の息子ハサウェイが、腐敗した地球連邦に反旗を翻す。富野由悠季監督の小説を劇場アニメ化する3部作の第1部が、腐敗した地球連邦に反旗を翻す。富野由悠季監督の小説を劇場アニメ化する3部作の第1部

抜粋”近年では、『君の名は。』や『天気の子』で大ヒットを放った新海誠である。新海誠は両作品で監督だけでなく、原作小説、脚本でもクレジットされている。さらに『ほしのこえ』から始まる新海誠らしさは、どの作品でも一目瞭然だ。

これに対して富野由悠季作品の多くは、よりスタッフが多いテレビシリーズと、そこから派生する映画だ。さらに外部からの意向も加わりやすいロボットアニメというジャンルでもある。作品=富野由悠季と評価にしにくいのである。

しかし実際は、テレビシリーズのロボットアニメという作家性の表現しにくい作品群にも関わらず、それらの作品には常に「富野由悠季」らしさが強烈に滲み出ている。

初監督作品の『海のトリトン』(1972)には、その後の作品に色濃く反映される「善」と「悪」の相対化が早くも現れている。主人公を取り巻く神(じん)ファミリーが次々に過酷な現実に直面する展開で視聴者を驚かせた『無敵超人ザンボット3』(1977)は、その後の『伝説巨神イデオン』(1980)や『機動戦士Zガンダム』(1985)を思い起こさせる。富野由悠季らしさは、早い段階から各作品に現れている。”